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日常の気づき
〖笑っていない自分〗
先日実家に帰ったときに、母親と父親に贈り物をした。
母には花束、父には髭剃り。卒業の節目としての感謝の思いを伝えるためだ。
実際準備している時は、うれしかった。お花屋さんで、数あるお花の中から、
母に似あいそうなものを選び、
父には、古い髭剃りの代わりとして、充電の長持ちするいい髭剃りを買った。
きっと喜んでくれるとわくわくしていた。
ただ、実際に渡した時、自分は笑っていなかった。
それは、いざ記念に写真を撮ろうとしたときのこと。
壁に二人ずつ並んで立ち、一緒に写真をとっている時、気づいてしまった。
自分の体は無意識に避けていた。
母親のそばによろうとしたとき、無意識に体がそれるのを感じた。
頑張って笑顔を作ろうと写真を撮ったものの、その写真の自分は明らかに不自然。
笑い方がぎこちない。口角が無理に上がっている。
目は、まるでライオンを見る子ウサギのように、おびえている。
それは父も同じ。父の場合は、もはや笑おうともしない。
自分は笑っていない。こころのどこかに恐怖があることを身に染みて感じた。